公開日:2020/12/21 /
日本には世界に誇るおいしい果物や野菜がたくさんあります。
輸出したいと考える生産者の方は多いのではないでしょうか。
ここでは、果物・野菜の輸出方法を解説します。
1.日本の主な輸出 青果物
2023年の「農林水産物輸出入統計」によると青果物で輸出金額が多いのは
1位 りんご
2位 いちご
3位 ぶどう
4位 ながいも
5位 もも
となっております。
果物・野菜などの植物の輸出には2国間で合意ができていないと輸送することができません。
上記の5種は輸出可能な国が多い商材といえます。
日本のおいしい果物や野菜の輸出方法を解説していきます。
2.植物検疫検査とは
植物検疫とは、果物や野菜などの植物を輸出入する際に行われる検査のことです。
植物検疫には、輸入植物に付着する形で外国から病原中が侵入してくるのを防ぎ、自国の農業や生態系を守るという目的があります。
2国間の合意が前提となっておりますので、日本から輸出する際の検疫検査内容は、相手国側の条件に沿った検査内容となります。
国によっては検査不要もありますので、事前の確認が重要になります。
3.事前確認
上記でも解説しましたが、果物や野菜などの植物は2国間の合意が前提となっているため、合意がなされていない国には輸出することができません。
また、輸出することが可能な国でも、国ごとに異なる条件を満たした場合のみ輸出することができます。
主な輸出条件として
- 仕向国の輸入許可(PERMIT)により輸入を認めるもの
- 日本の植物検疫機関で検査を受け、《植物検疫証明書(*1)》が添付されていれば輸入を認めるもの
*1:phytosanitary certificates又は合格証明書とも言います。 - 日本での消毒措置が必要なもの
- 日本での栽培中に病害虫の検査が必要なもの
- 輸送方法、植物形態、輸入時期、輸入場所及び梱包形態を制限するもの
下記の輸出条件早見表で仕向国の条件が確認できます。
※早見表にない品種や仕向国の場合は植物防疫所に別途相談することで確認ができます。
4.必要書類
一連の輸出手続きに必要な書類は次のとおりです。
書類名 | 書類作成者等 |
---|---|
インボイス | 輸出者が作成。 |
パッキングリスト | 輸出者が作成。 |
仕向国の輸入許可書 (PERMIT) |
二国間協定の定めがない場合に必要。 輸出時の検査内容等について仕向国側から指示される書面。 |
AIR WAYBILL | 航空輸送の場合、フォワダー(通関会社)が発行。 AWBとも言う。 |
SEA WAYBILL | 海上輸送の場合、海外フォワダーが発行。 |
植物検疫証明書 | 植物検疫検査終了後に植物防疫所より発行。 |
5.輸出通関「輸出検疫検査」
輸出検疫検査が必要な商品・仕向国の場合は下記の流れになります。
✍輸出検疫申請に必要な書類
輸出検疫検査に必要な書類は次のとおりです。
書類名 | 書類作成者等 |
---|---|
AIR WAYBILL | 航空輸送の場合。仕向地、航空会社、搭載予定機を確認。 |
SEA WAYBILL | 海上輸送の場合。仕向地、船会社、積載予定船を確認。 |
パッキングリスト | 輸出者が作成。商品の内訳を確認する。 |
✍植物検疫検査の実施
- 商品を検査場に移動します。
- 検査官立会いの下、現物及び現物に貼ってあるラベルの(内容・数量・重量等)と書類が一致しているかを確認します。
- 書類の内容に相違がある場合、訂正をして現物と一致させます。
- 害虫の目視検査:仕向国にとって害となる虫が発見された場合は、輸出することができません。
✍植物検疫証明書の発行
上記をクリアすると《植物検疫証明書(*2)》が植物防疫所より発行されます。
*2:phytosanitary certificate又は合格証明書
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6.輸出通関「税関申告」
✍輸出通関に必要な書類
書類名 | 書類作成者等 |
---|---|
インボイス | 輸出者が作成。 |
パッキングリスト | 輸出者が作成。 |
AIR WAYBILL(AWB) | 航空輸送の場合。フォワダー(通関会社)が発行。 |
SEA WAYBILL | 海上輸送の場合。フォワダー(通関会社)が発行。 |
植物検疫証明書 | 植物検疫検査終了後に植物防疫所より発行。 |
✍税関へ申告
《輸出通関申告書》に必要書類を添付して税関に申告します。
審査が完了し、問題が無ければ《輸出申告許可書》が発行されます。
以上で手続きは完了です。
必要書類と商品を飛行機、もしくは船で仕向国へ運びます。
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7.参考資料
こちらの参考資料は一通り目を通しておくことをお勧めします。
事前に知識として蓄えておくことで不要なトラブルを回避することができます。
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